「ヘヴィ・メタルの祖」と呼称された伝説的英国ヘヴィ・メタル・バンドが前作「ETERNAL IDOL」の商業的失敗により一旦はレコード契約を失ったものの、米国IRSレコードとの契約に漕ぎ着けて発表された13枚目スタジオ・アルバムです。メンバーはバンド・リーダーのトニー・アイオミ(G)のほか、前作に引き続きトニー・マーティン(Vo)とジェフ・ニコルズ(Key)、ジャズ・フュージョン界で活躍していたローレンス・コットル(B)、元RAINBOW、WHITESNAKE等のコージー・パウエル(Dr)をメンバーという布陣で、プロデュースはアイオミとパウエルが担当、全英31位、全米115位を記録しました。当初はオリジナル・メンバーのギーザー・バトラー(B)に声をかけたものの、同じくオリジナル・メンバーであるオジー・オズボーン(Vo)との活動を理由に断られたようであり、また、ヴォーカリストにはロニー・ジェイムズ・ディオの復帰やWHITESNAKEのデイヴィッド・カヴァデールを迎えることも画策されたようです。前作同様にドラマティックなミディアム・テンポ・ナンバーが目白押しで、マーティンは前作以上にパワフルな歌唱を披露しています。不気味なイントロ1.THE GATES OF HELLに導かれる重厚な2.HEADLESS CROSSはあまりにも強力。シャッフル調の疾走曲3.DEVIL & DAUGHTERも秀曲。QUEENのブライアン・メイ(G)が客演したドラマティックな4.WHEN DEATH CALLS、オリエンタルな雰囲気漂う5.KILL IN THE SPIRIT WORLD、比較的キャッチーな6.CALL OF THE WILD、ジャジーな7.BLACK MOON、アイオミのギターが叙情的な8.NIGHTWINGと全曲が素晴らしく、マーティンの歌唱が前作以上にパワフルで素晴らしい。レコーディング後にコットルが脱退し、元WHITESNAKE等のニール・マーレイ(B)を迎えます。