クロダー・シモンズ(Vo、Pia)とアリソン・ウィリアムズ(Vo)の女子高生を中心にギター、ベース、ドラムが加わって結成されたアイルランドのプログレッシヴ・フォーク・ロック・バンドによるデラム・レコードから発表されたデビュー・アルバム(邦題は「抱擁の歌」)にして唯一作です。TUDOR LODGEやSPYRO GYRAと共に「UKフォーク三種の神器」などと呼ばれ、本作のLP盤はレア・アイテムとして高値で取引されているようです。モノクロのアルバム・ジャケットも秀逸ですね。アナログでいうところのA面はメロウな曲が中心で、B面は明るい曲が中心となっておりますが、個人的にはA面の充実ぶりが好みです。ハープシコードやチェンバロの音色が美しくルルルのスキャットも印象的な中世バロック調の1.HEAVEN HEATH、美しいヴォーカル・ハーモニーと曲後半におけるギターを中心とした演奏がエキサイティングな2.SEEP SEASON、ピアノとチェロに彩られた物悲しいメロディの3.SILVER SONG、近代女性アーティストに影響を与えたかの様な裏声が魅力的な5.MESSENGER BIRDS、スキャットがバックの演奏とユニゾンする8.BREAK YOUR TOKEN、ギターがアグレッシヴな11.LONELY MAN、シモンズとウィリアムズがパワフルなスキャットを聴かせる12.BOULDERS ON MY GRAVE等の秀曲を収録。